文庫革の彩色について

ひとつひとつ手で色を塗っています

文庫屋「大関」の文庫革は、100年近く続いている”伝統工芸品”です。
すべての工程で手作りですが、より深くお楽しみいただくために、特に「手塗り彩色」についてについてご説明いたします。

  
 
  
 

手塗り彩色の魅力

彩色は、毎回お皿に絵具を溶いて色を合わせ、ひと筆ひと筆、塗っています。
水彩画のような”にじみ”や”ぼかし”、習字の筆を払ったような”かすれ”や”筆勢”…
人の手で塗られることで、自然と醸し出される温かみは、やはり手描きならでは。

  
 
  
 

たとえば「こけしの顔」

職人さんが筆を持って、こけしに顔を描いているのをテレビなどでご覧になったことがあるかと思います。
微笑んでいる顔、と一律に決まっていても、職人により、またその時々の”手”の違いにより、表情は微妙に変わってきます。

文庫革も同じです。
アート作品ではないので色味や塗り方の基準はあるものの、同じ柄でもその時々により、ほんの少しだけ違う表情が出てきます。
それが”手作り”の良さであるとともに、一点ずつ異なる個性を持つことにもつながります。

  
     
  
 

様々な彩色技法

印刷と異なり、手描きの彩色には多くの部分で”メリハリ”をつけることができます。
リズミカルにポンポンと色を乗せていく時もあれば、シュッと勢いをつけて筆を走らせるところも。

  
   
  
   
 
 

日本画や水墨画の「たらし込み」という技法を使う柄もあります。
色同士が絡み合い現れる滲みで、味わい深さや奥行を表現しています。

  
 
  
 


型押しの線とあえてずらしてラフに彩色することで、カジュアルでポップな印象を持たせる場合もあります。
画一的でベタ塗りのプリントと大きく異なるのは、こういった”活きた彩色”の部分です。
むしろこれこそが、同じようで微妙に異なる”個性”となり、ユニークな存在にするための鍵であるとも言えるでしょう。

お客さまが手に取るその文庫革は、同じようで微妙に異なる”個性”を持ち唯一無二の存在です。
同じものは二つと存在しません。

  
 
  
 



これら手描き工芸品の大きな特長・魅力を、お客さまにはお楽しみいただきたいと願っています。

もちろん、お手に取って見て、期待していたものと違う、以前買ったものと同柄なのに印象が違うという場合は、
ご購入から1週間以内の未使用品でしたら、返品・交換も承りますので遠慮なくお知らせください。
皆様がもっともっと、文庫革をお楽しみいただけますように…





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